ポイント
AACDは日本流通自主管理協会の略称
天秤マークは、AACD加盟店の証
AACDは輸入品市場から、偽物を排除するための団体
加盟している企業には種類と義務がある
AACD会員を騙る悪質なサイトがある
AACDの天秤マークとは
ブランド品を販売しているショップなどで見かける「AACDの天秤マーク」は、何を意味しているのかについて調べてみました。
まず、AACDは「一般社団法人 日本流通自主管理協会(The Association Against Counterfeit Product Distribution)」の略称です。
1998年設立の東京都千代田区にある団体で、輸入商品市場における「不正商品」の流入や排除を目的としています。
端的に言えば、輸入商品市場で 偽物が出回らないように活動している団体です。
AACDの天秤マークは、この日本流通自主管理協会に加盟している証であり、偽物対策をしている証とも言えます。
こういった団体は質屋さんでもあり、団体名は「一般社団法人 全国質屋ブランド品協会(ATF)」です。
偽サイト
AACDとATFの両方に当てはまることですが、勝手に加盟店を名乗っている悪質サイトが存在します。
AACDなら、「AACD会員を騙る悪質サイト」というページや、「会員企業一覧」のページで調べることが可能です。
ATFも、「ATF会員店舗」のページで、加盟店が確認できます。ほかに、偽造品撲滅団体のIACCもあります。
会員企業の種類
AACDの会員企業には、「小売会員」「卸売企業」「賛助会員」の3種類があります。
「小売会員」は、専門店、量販店、通販、質・リサイクル店など。
「卸売会員」は、バッグ、小物、アクセサリー、アパレルなど専門知識を有した企業。
「賛助会員」は、協会の目的に賛同して、活動に協力している企業です。
また、上記のタイプがあるほかに、協会基準判定士がいる企業と、いない企業があります。
協会基準判定士は、協会が行っている協会基準判定士認定試験の合格者です。
試験前には、並行輸入の基礎知識、関連法、カスタマー対応、ブランド品を取り扱う際に必要な商品チェック方法といった研修を受け、年1回の試験を受けることになります。
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種類によって、会員番号のアルファベットが違います。
会員番号は「〇-0000」という形になっていて、〇の箇所にアルファベットが入ります。「小売会員」は「R」、「卸売企業」は「W」です。
「賛助会員」は、一般社団法人 ECネットワーク、一般財団法人 対日貿易投資交流促進協会(ミプロ)、一般社団法人 発明推進協会の3団体だけで、会員番号がありません。
賛助会員以外の会員の入会金は200,000円、年会費は850,000円となっています。
この金額は2018年の額になります。
会員企業の資格と義務
1.それぞれの企業内に「不正商品」の流入防止と排除のための基準を有していること。
2.協会の定めた「協会基準マニュアル」を遵守して「不正商品」の取扱防止と排除に真摯に取り組むことを承諾し、その旨等を定めた協会書式による「確約書」を提出する企業であること。
3.万一「不正商品」を取り扱ってしまった場合は、 当該商品等に関する全ての情報を協会事務局に報告し、指示に従い、必要であれば関連する自社の業務システムの改善を行うこと。
4.万一「不正商品」を取り扱ってしまった場合は、販売の中止は勿論のこと、可能な限り当該商品を回収して、ルーティングの開示、関係機関・団体・関連企業に対する誠意ある対応を行うこと。
5.必要な場合は、協会事務局の行う「自社内部 立入調査」を承諾すること。
6.「不正商品」に関する協会の規定を遵守しない場合、除名されると共に、社名・除名理由等を公表されることを承諾していること。
7.(3)~(6)を承諾する旨等を定めた協会書式による「確認書」を入会に際して、提出する企業であること。引用:協会概要
簡単にまとめると、偽物対策の基準があり、協会基準マニュアルを遵守していて、もし偽物を扱ってしまったら報告と回収をして、内部調査を受ける確約をした企業ということ。
これに反すると、除名されて公表されるようです。
消費者向けの活動
AACD消費者Q&Aセンターでは、ブランド品に関する相談、問い合わせを受け付けています。
電話番号:0120-786-470
対応時間:10:00~18:00(月曜日~金曜日)
上記の番号は、ブランド品の真贋(しんがん)に関するトラブルの解決を図りたい人向けの窓口にもなっていて、「ブランド110番」と呼ばれています。
AACDは法務大臣より「かいけつサポート」第77号として、認証を受けています。
真贋
本物か偽物かということ。
他に、AACDの職員が研修の現場に行き、並行輸入やブランド品の真贋について話す『出前の講座』も受け付けています。
対象となるのは、消費者、消費者センターの相談員、学生など。参加者人数は10名以上で、講演時間は60~90程度。講演料は応相談です。
下の動画は、AACD加盟店であるブランドオフが取り上げられた番組です。